はじめに
売買契約とは、売主が商品などの目的物を買主に移転し、買主が対価を支払うことを内容とする契約のことを言います。
売買契約の本質は、目的物と代金額の特定ですが、それ以外にも、目的物の引渡期日、代金の支払期日、目的物に不具合がある場合の責任、損害賠償、契約の解除などに関する取り決めを、売買契約書に記載するのが通常です。
売買契約書の種類としては、不動産や動産の売買契約書、債権や株式の売買契約書、知的財産権の譲渡契約書などがあります。
また、商品などの動産の売買契約については、継続的な取引基本契約を前提とし、取引基本契約のもとに個別の売買契約が行われる形態もあります。
この場合には、取引基本契約書と個別の売買契約書の2種類が作成されることがあります。
このページでは、動産売買契約書について、解説させていただきます。
動産売買契約書のポイント
売買の合意
動産売買契約書では、目的物と代金額の特定という売買契約の本質的事項について、まずは明示する必要があります。
(条項の例)
売主は、買主に対し、下記の動産(以下、「本件動産」という)を、下記の代金で売り渡し、買主はこれを買い受ける。
目的物の引渡期日
売買の目的物の引渡期日についても、取引当事者にとって重要な事項ですので、動産売買契約書では必ず盛り込むようにしましょう。
(条項の例)
売主は、買主に対し、本件動産を、令和〇〇年〇月〇日限り、買主が指定する場所で引き渡す。
代金の支払期日
代金の支払期日についても、取引当事者にとって重要な事項です。
動産売買契約書で明示するようにしましょう。
(条項の例)
買主は、売主に対し、本件動産の引渡しを受けた日の翌日から起算して7営業日以内に、本件動産の売買代金を、売主が指定する預金口座に振り込む方法により支払う。
所有権の移転
目的物の所有権の移転時期についても、取引当事者にとって重要な取り決めです。
特に、売主からすれば、売買代金を支払ってもらった後に目的物の所有権が移転することになっているかどうかについて、しっかりと確認するようにしましょう。
(売主に有利な条項の例)
本件動産の所有権は、買主が売主に本件動産の売買代金を全額支払ったときに、売主から買主に移転する。
(買主に有利な条項の例)
本件動産の所有権は、買主が売主から本件動産の引渡しを受けたときに、売主から買主に移転する。
目的物の不具合
目的物に不具合(種類・品質・数量に関する契約不適合)がある場合の責任についても、後々トラブルにならないように、動産売買契約書で明記しておくことが大切です。
ポイントとしては、売主に責任が生じる期間および責任の内容です。
責任の期間については、法律上、企業同士の取引では6か月、企業・個人間の取引では1年と定められています。責任の内容は、法律上、修理・交換や代金減額、契約の解除や損害賠償が定められています(2020年施行の改正民法)。
しかし、取引当事者の合意によって、法律とは異なる取り決めをすることも可能です。
動産売買契約書の条項次第で、法律よりも有利にも不利にもできるのです。
(条項の例)
売主が買主に本件動産を引き渡した後3か月以内に限り、買主が目的物の種類・品質・数量に関する契約不適合を発見した場合、買主は、売主に対し、修理または交換を請求することができる。
弁護士にご相談ください
以上のほかにも、動産売買契約書には、注意すべきポイントが多々あります。
契約書のチェック・作成については、法律の専門家である弁護士にご相談ください。
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