医療・福祉の事業は、人々の暮らしにとって欠かすことのできない社会インフラです。
我が国では、高齢化が進行し、医療・福祉の重要性は、益々高まっていると言えます。
当事務所では、医療・福祉事業の方からのご相談・ご依頼をいただくことが多く、医療・福祉の事業運営に当たっては、様々な法的リスクが潜んでいると言えます。
このページでは、医療・福祉事業の方向けに、医療・福祉事業を取り巻く状況および法的リスクや、弁護士が法的リスクへの対策・対応として提供できる法的サービスについて、解説させていただきます。

医療・福祉事業を取り巻く状況と法的リスク

医療事故・介護事故

医療・介護事業では、人の生命・身体の安全に関わる業務を取り扱っていますが、業務上の事故(医療事故・介護事故)が発生することによって、人の生命・身体に危害が及んでしまうこともあり得ます。
このような医療事故・介護事故が発生した場合に、事業者側に過失(落ち度)があったと認められるのであれば、事業者が損害賠償責任を負うこととなります。
事業主側に過失がある医療事故・介護事故によって、重度の後遺障害や死亡などの深刻な被害が発生した場合には、賠償責任額が数千万円から1億円を超えることもあります。
また、被害の大小にかかわらず、損害賠償に関する示談交渉を行うこと自体の労力や負担も、相当なものとなるケースが少なくありません。

患者・利用者側からのクレーム事案

近年では、患者・利用者側の権利意識が高まっており、医療・介護事業へのクレーム事案も増加しています。
正当な理由のないクレームであれば、毅然とした態度で対応に当たることとなりますが、事業者側に落ち度があるケースであれば、誠実に対応していく必要があります。
しかし、クレームに正当な理由があるという事案で、患者・利用者側が事業者の対応内容等に満足せず、ハードクレーム化してしまうことがあります。
また、ごく些細な被害であるにもかかわらず、患者・利用者側が大げさに騒ぎ立ててきたり、多額の金銭請求をしてきたりするなど、対応困難なクレーム事案も散見されます。

人手不足時代と労務管理の問題

近年では、どの業界であっても人手不足の時代となっていますが、医療・介護事業においては、労働者の肉体的・時間的な負担が大きい面があるため、人材確保が困難な傾向にあります。
このような時代背景のもと、労働者側からの事業者側への発言力が強まる面が出てきており、近年の労働者側の権利意識の高まりから、未払い残業代やパワハラなどの法的トラブルも増加しています。
したがって、医療・介護事業における労務管理の重要性は、年々高まっていると言えます。

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医療・福祉事業における顧問弁護士の役割

医療事故・介護事故への対応

医療事故・介護事故が発生した場合の損害賠償リスクに備えて、賠償責任保険に加入しておくことが、まずは必要です。
しかし、これらの賠償責任保険では、医療事故・介護事故が発生した場合に、自動車保険のように保険会社が示談交渉を代行してくれることはないという弱点があります。
そこで、医療事故・介護事故が発生した場合には、必要に応じて、普段から付き合いのある顧問弁護士に窓口対応を委託し、自社対応の負担を軽減する体制を整えておくことをお勧めします(この点、これらの賠償責任保険では、事業者側が弁護士に示談交渉や訴訟を依頼する場合の弁護士費用についても、保険会社が負担するという謳い文句を掲げていることが多いです。しかし、実際には、弁護士費用の支出について、あらかじめ保険会社の同意・承認を得ることが条件とされており、保険会社がなかなか同意・承認をしてくれないために、弁護士を付けられずに自社対応の負担を強いられるという事案が多数見られます。初期段階から弁護士が介入し、安心して対応を進めていくためには、やはり顧問弁護士を付けることをお勧めいたします)。

患者・利用者側からのクレーム事案への対応

患者・利用者側からのクレーム事案については、事業者による適切な自社対応により、比較的スムーズに解決に至るものもありますが、事業者での自社対応に当たって、患者・利用者側のクレームや要求内容には正当性があるのか、どの程度の謝罪や損害賠償などを行うべきなのか、どのように患者・利用者側との交渉を進めていけばよいのかなど、判断に迷うこともあるかもしれません。
このような場合でも、普段から付き合いのある顧問弁護士がいれば、必要なタイミングで顧問弁護士に相談をして、適時・適切なアドバイスを受けることができます。
また、患者・利用者側への説明や交渉の場に顧問弁護士を同席させ、安心してクレーム事案への対応を進めていくことや、ハードクレーム化した事案や自社対応が困難なクレーム事案については、顧問弁護士に対応窓口を委託するなどの活用も可能です。
さらに、事業者側の対応範囲をあらかじめ契約書に明記しておくことも、紛争予防の観点からは有効であり、患者や利用者との間で取り交わす契約書のレビューを、顧問弁護士に依頼するなどの活用方法も考えられます。

労務管理に関するサポート

近年増加している労務問題については、問題社員対応、解雇問題(不当解雇)、残業代請求、パワハラ、メンタルヘルス(うつ病等)など、様々な様相のものがあります。
就業規則や雇用契約書の見直しとともに、問題社員への退職勧奨や懲戒処分、固定残業代など残業代の発生を抑制する制度の活用、労働時間の管理、パワハラ事案への予防策・対応体制の構築、メンタルヘルス不調者の休職制度の整備・運用など、顧問弁護士のサポートのもとに、労務問題を防止するための労務管理の適正化を推進されることをお勧めいたします。

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顧問弁護士の活用をご検討ください

当事務所の弁護士は、これまでに、医療・介護事業の方から、医療事故・介護事故、患者・利用者側からのクレーム事案、労務問題など、様々な案件について、ご相談・ご依頼をいただいて参りました。
また、様々な企業・法人様の顧問弁護士に就任しており、充実した法的サービスを提供させていただいております。
法的リスクに関して不安をお持ちの事業者様や、法的トラブルに巻き込まれてお困りの事業者様がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、当事務所にご相談いただければと存じます。

医療・福祉事業の解決事例

●医療・福祉 医療法人が事務手続上のミスにより患者から執拗なクレームを付けられたのに対し、対応窓口を引き受けて収束させた事例
●医療・福祉 病院内で患者の転倒事故が発生し、患者の家族から執拗なクレームを付けられたのに対し、患者の家族との面談に同席対応して収束に導いた事例
●医療・福祉 介護施設の建設工事のせいで自宅が傾いたとのクレームが周辺住民の1人から発生したのに対し、当該周辺住民宛てに送付する書面の文案を作成して収束に導いた事例
●医療・福祉 公益法人の監事に就任
●医療・福祉 解雇した職員が解雇の無効を求める労働審判を起こしてきたのに対し、300万円の解決金を支払うことで復職を断念させる和解を成立させた事例
●医療・福祉 顧客に軽傷を負わせる事故が発生し、高額の示談金を要求するなどのクレームを付けられたのに対し、示談金10万円の支払で合意して解決した事例
●医療・福祉 人権擁護研修の講師を務めた事例
●医療・福祉 懲戒処分の手続のサポート(事実関係の聞き取り、懲戒処分通知書の作成、懲戒処分を言い渡す場への同席対応など)を行った事例
●医療・福祉 給料の一部支払漏れに関する労働基準監督署(労基署)対応(事前準備から労基署への同席対応まで)をサポートした事例
●医療・福祉 退職した従業員が労働局の紛争調整委員会にあっせん申請をし、ハラスメントなどを主張して金銭の支払を要求してきたのに対し、あっせん手続への対応に関する事前協議・助言と同席対応を行った事例
●医療・福祉 車椅子の使用中に転倒する事故が発生し、かなりハードなクレーム事案となったのに対し、対応窓口を引き受けて収束させた事例
●医療・福祉 退職した従業員が同僚によるパワーハラスメントを主張し、慰謝料を請求する旨の内容証明郵便を送付してきたのに対し、弁護士の介入により請求行為を収束させた事例
●医療・福祉 患者からのカスハラ(カスタマーハラスメント)に対し、弁護士から介入通知を送付することにより、収束させた事例