1 業種
運送業
2 事案の概要
ご相談企業様から、顧問弁護士である当方に、社屋の敷地に係る土地賃貸借契約書について、ご相談いただきました。
ご相談企業様と地主との間で、約30年前に土地賃貸借契約書が取り交わされていましたが、近日中に新たな土地賃貸借契約書に更新するところ、その契約書の文案をチェックしてほしいとのご依頼でした。
3 当事務所の対応
当事務所の弁護士が契約書案をチェックしたところ、契約期間が1年ごとの自動更新とされていることを発見しました。
本件のような建物所有目的の土地賃貸借契約では、借地借家法の適用を受け、法律上、最初の契約期間が30年、初回の更新後が20年、2回目以降の更新後が10年を下回ることができません。
そこで、当事務所の弁護士は、土地賃貸借契約書の案について、借地借家法に適合する内容に改めるとともに、ご相談企業様に不利益な条項を見直したうえで、修正案を提示させていただきました。
その後、ご相談企業様と地主との間で、当事務所の弁護士が示した修正案のとおりの内容で、新たな土地賃貸借契約書が取り交わされました。
4 対応のポイント
土地賃貸借契約書は、インターネットや書店で入手できる書式では、契約期間が空欄(契約当事者が埋める)になっていることがあり、一見、どのような期間でも自由に定められるようにも思えます。
しかし、借地借家法の適用対象となる場合には、法律上、一定の年数を下回ることができないという制約があります。
法律に適合しない契約書が取り交わされると、後々思わぬトラブルを招くおそれがありますので、注意が必要です。
また、契約書の取り交わしに当たっては、契約締結の背景事情や自社の法的利益などを踏まえて、内容を慎重に検討する必要が出てきます。
契約書の内容について少しでも不安なところがありましたら、取り交わしの前にまずは弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。