公正証書とは

公正証書とは、私人(個人または会社その他の法人)からの依頼により、公証人が作成する公文書のことを言います。
公証人とは、公証人法という法律に基づいて、法務大臣により任命された公務員です。
公証人は、全国各地に約300箇所設置されている公証役場で執務しており、公正証書の作成は、公証役場で行います。

企業・法人が取引を行う際には、契約書を取り交わすことも多いのですが、取引の相手方が契約書で定めた義務を履行しないという事態も起こり得ます。
このような場合には、通常であれば、訴訟(裁判)などの法的手続を通じて、義務の履行を求めていくこととなります。
訴訟を提起して勝訴判決を得られれば、相手方の財産を差し押さえるなどの強制執行が可能となるのですが、これらの手続には大きな時間的・金銭的コストがかかります。
これらの手続を行う費用対効果を考えたときに、回収を断念せざるを得なくなるケースも発生するでしょう。

このような不都合を避ける手段の一つとして、相手方との間で取り交わした契約書を公正証書化することが考えられます。

公正証書のメリット

公正証書を作成するメリットは、相手方の財産を差し押さえるまでの手順を簡略化・迅速化できることです。

契約上の支払を履行しない相手方から、支払を得るためには、まずは訴訟を提起し、支払を命じる判決を得る必要があるのが原則です。
そして、相手方が判決に従って任意の支払をしない場合には、強制執行(財産の差押え)の申立てをする必要があります。
しかし、このような手順を経ることは、上記のように、時間的・金銭的コストが大きく、回収を諦めざるを得なくなるケースもあります。

しかし、相手方との間で取り交わした契約書を公正証書化しておけば、訴訟を提起して勝訴判決を得る必要がなく、公正証書化された契約書に基づいて、直接、強制執行の申立てを行うことができます。
債権者としては、訴訟などの法的手続を経ることなく、回収ができることとなるため、非常に便利であると言えるでしょう。
また、相手方からすれば、契約上の支払を怠った場合には、直ちに強制執行を受ける可能性があるため、相手方が支払を怠るリスクも減らすことができます。

公正証書の作成手続

公正証書を作成するにあたっては、まずは公正証書化する元となる契約書を作成します。
契約書の内容に問題がないかどうかが不安であれば、弁護士に作成やチェックをご依頼いただくことをお勧めいたします。

ここで、契約書を公正証書化する際に重要なことは、「強制執行認諾文言」を盛り込むということです。
「強制執行認諾文言」とは、「相手方が契約上の義務を履行しないときには、直ちに強制執行を受けても異議のないことを承諾する」という内容の条項のことです。
単に契約書を公正証書化するだけでは足りず、「強制執行認諾文言」がある公正証書のみが、訴訟などの法的手続を省略して直接強制執行を行うことができるという効力があります。
したがって、「強制執行認諾文言」を盛り込むことは、極めて重要です。

そして、契約書を公正証書化する際には、契約当事者双方が公証役場に出頭する必要があります。
なお、公正証書の作成を弁護士に依頼した場合には、弁護士が代理人として出頭することも可能であり、必ずしも契約当事者本人が出向く必要はありません。
公証役場において、公証人が契約当事者双方の本人確認等を行ったあと、公正証書の内容を読み上げ、内容に誤りがないことが確認されれば、契約当事者双方および公証人が公正証書に署名押印し、公正証書が完成となります。

なお、公証役場に出頭するに先立って、あらかじめ公証人と契約書の内容について、打ち合わせを行うのが通常です。
公証人との打ち合わせは、元となる契約書や公正証書の案文をFAXなどでやり取りすることによって行います。
公正証書の作成を弁護士に依頼すれば、このような公証人との事前打ち合わせも、弁護士を窓口として行うことができます。

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