はじめに

ネット上での誹謗中傷・風評被害のトラブルに巻き込まれてしまった場合、企業・法人が取り得る対策として、①問題の投稿を削除する(削除請求)、②誹謗中傷を行った人物を特定するための発信者情報開示請求を行う、③誹謗中傷を行った人物に対する損害賠償請求や刑事告訴の手続を行うという方法があります。以下では、これらの各対応について、弁護士に相談・依頼すべき理由をご説明させていただきます。

削除請求

ネット上での誹謗中傷・風評被害の問題の投稿を放置すると、売上の減少や来客数の減少などの悪影響を受けかねません。
また、既存の顧客や取引先に対するイメージダウンを引き起こし、大切な顧客・取引先を失ってしまうことにもなりかねません。
このようなネット上の誹謗中傷による被害は深刻で、企業・法人としては早急な対策を取る必要があります。
したがって、ネット上で誹謗中傷の投稿を発見したら直ちに対処する必要があり、削除請求はとにかくスピードが重要となります。

ここで、ウェブサイトの管理者やプロバイダ業者に対する任意の削除請求、あるいはガイドラインに基づく削除請求では、それぞれの手続(書式)に従ったうえで、所定の削除の条件を満たさなければ、削除に応じてもらえません。
そのため、問題の投稿がなぜ削除の対象となるのか、あるいは「権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当な理由」について、具体的かつ説得的に記載して、削除請求をしなければなりません。

また、ウェブサイトの管理者等が削除請求に応じないこともあります。
ここで、一刻も早く削除を実現したい場合には、裁判所の仮処分の手続を使って、削除請求をする必要があります。
この場合、裁判所に削除請求を認めてもらうためには、問題の投稿によって名誉権やプライバシー権などの人格権が侵害されていること、そのような人格権の侵害が違法であって正当化する事情が見当たらないことについて、具体的に主張・立証しなければなりません。

このように、ネット上の誹謗中傷の投稿を迅速かつ確実に削除することは、対応のスピードとともに、ネットトラブルおよび法的手続に関する専門的知識が必要であり、非常に大変なものです。
ネット上の誹謗中傷の投稿を迅速かつ確実に削除するためには、任意の削除請求であれ、裁判所の手続を利用した削除請求であれ、専門家である弁護士に相談・依頼して進めるのがよいでしょう。

発信者情報開示請求

発信者情報開示請求については、大きく分けて2回にわたる手続を踏む必要があります。
まず、プロバイダ業者に対して、問題の投稿を行った者のIPアドレスとその送信された時刻(タイプスタンプ)の開示を請求します。
次に、その開示された情報をもとにして、投稿者が利用した経由プロバイダを特定して、その経由プロバイダに対して、投稿者に関する氏名や住所などの情報の開示を請求します。
以上の開示請求では、プロバイダ責任制限法に基づいて、「権利が侵害されていることがある」ということを主張・立証しなければなりません。
また、プロバイダ業者が任意の開示請求に応じない場合には、裁判所の仮処分の手続を使って開示請求することになります。
したがって、ケースによっては2回の裁判手続を経ることが想定されます。

発信者情報開示請求の手続を迅速かつ確実に進めていくためには、専門家である弁護士に相談・依頼して進めるのがよいでしょう。

損害賠償請求・刑事告訴

損害賠償請求や刑事告訴の手続は、誹謗中傷を行った人物に対して、民事上、あるいは刑事上の責任追及をしていくものです。
民事上の責任追及である損害賠償請求では、誹謗中傷を行った人物に対して、自社が被った損害の賠償を請求していくこととなります。相手方が任意の支払に応じなければ、裁判所の手続(訴訟など)を利用して、損害賠償請求をしていくことになります。
また、刑事上の責任追及では、捜査機関に対して、誹謗中傷を行った人物の処罰を求める刑事告訴を行うこととなります。刑事告訴を行うためには、告訴状を作成し、問題の投稿が犯罪に該当するという事実を具体的に記載した上で、その事実を裏付ける根拠となる資料を証拠として添付し、捜査機関に対して提出する必要があります。
被害回復を図ることや、二度と似たような投稿がされないようにするためには、民事上・刑事上の責任追及を検討すべきケースもあります。

損害賠償請求や刑事告訴の手続については、専門家である弁護士に相談・依頼して進めるのがよいでしょう。

弁護士にご相談ください

以上のとおり、ネット誹謗中傷・風評被害の対処方法は、非常に複雑なものです。
また、ネット上の誹謗中傷の投稿に対して、迅速かつ確実に削除や開示などの対応をすることは、対応のスピードとともに、ネットトラブルおよび法的手続に関する専門的知識が必要であり、非常に大変なものです。
ネット上での誹謗中傷・風評被害でお困りの企業・法人様は、専門家である弁護士にご相談・ご依頼されることをお勧めいたします。

なお、企業・法人に代わって、①削除請求、②発信者情報開示請求、③損害賠償・告訴の手続を行うことができるのは、法律上、弁護士だけとなっております。

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