弁護士・木村哲也
代表弁護士

主な取扱い分野は、労務問題(企業側)、契約書、債権回収、損害賠償、ネット誹謗中傷・風評被害対策・削除、クレーム対応、その他企業法務全般です。八戸市・青森市など青森県内全域の企業・法人様からのご相談・ご依頼への対応実績が多数ございます。

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はじめに

不当解雇トラブルや未払い残業代トラブルなど、労使紛争を解決するための制度として、労働審判があります。
当事務所でも、(元)従業員から労働審判を起こされたという企業様からのご相談・ご依頼をお受けすることがあります。
今回のコラムでは、(元)従業員から労働審判を起こされたときの会社側の対応について、ご説明させていただきます。

労働審判の制度の概要

労働審判とは?

労働審判とは、不当解雇トラブルや未払い残業代トラブルなど、事業者と労働者との間で発生した労務関係のトラブルについて、裁判官1名および労働審判員2名が審理し、実情に即した迅速かつ適正な解決を図ることを目的とする裁判所での手続です。
労働審判員は、労務関係のトラブルに精通した民間人から裁判所により任命されることになっています。
1名は労働組合等が推薦する労働者側の労働審判員、もう1名は企業団体等が推薦する企業側の労働審判員です。
いずれの労働審判員も、労使どちらかの立場に肩入れするわけではなく、中立の立場で審理を担当します。
労働審判は、原則として3回以内の期日で審理され、第1回期日でおおむね解決の方向性が決まるという特徴があります。
そのため、訴訟(裁判)と比べると迅速な解決を図ることが期待できます。

労務関係のトラブルを解決するための裁判所での手続としては、労働審判のほかにも訴訟(裁判)があります。
労務関係のトラブルを裁判所に持ち込むのは、ほとんどの場合が労働者側ですので、労働審判と訴訟(裁判)のいずれの手続をとるのかは、労働者側が選択するのが通常です。
近年では、労働審判の手続を選択する例が増えています。

労働審判と訴訟(裁判)の違い

労働審判と訴訟(裁判)には、次のような違いがあります。

まず、労働審判は、平均70日程度の短期間で終結する簡略的な手続です。
労働審判の手続中、裁判所の仲介のもとに労使双方で調停(合意)による解決ができなければ、裁判所から審判という形で解決案が出されます。
しかし、審判には強制力がなく、労使いずれかから異議申立てがあれば、訴訟の手続に移行します。

これに対し、訴訟(裁判)は、終結までに標準で1年程度かかる正式な裁判手続です。
訴訟(裁判)の手続中、裁判所の仲介のもとに労使双方で和解(合意)による解決が図られる場合も多いですが、和解ができなければ裁判所から判決が下されます。
そして、判決には強制力があります。

労働審判の手続の流れ

労働審判の手続の流れは、以下のとおりです。

1 労働審判の申立て

労働審判の手続は、通常、(元)従業員が裁判所に労働審判手続申立書を提出することによりスタートします。

2 労働審判手続申立書の送達

そして、裁判所から会社宛てに労働審判手続申立書が郵送されてきます。
この段階で、裁判所により労働審判の第1回期日の日時を指定されます。
郵便物の中に、労働審判の第1回期日の日時が記載された書類が入っています。
労働審判の第1回期日は、会社宛てに労働審判手続申立書が郵送されてから、約1か月後であるのが通常です。

3 答弁書および反論の証拠の提出

同時に、裁判所により答弁書の提出期限が指定されるため、提出期限までに会社側の主張を記載した答弁書および反論の証拠を提出する必要があります。
労働審判手続申立書が送付されてきた際の郵便物の中に、答弁書の提出期限が記載された書類が入っています。
答弁書の提出期限は、通常は労働審判の第1回期日の1週間前とされます。

4 第1回期日

労働審判の第1回期日の日時に、裁判所に出頭します。
法廷には裁判官1名と労働審判員2名がおり、(元)従業員本人と(元)従業員側弁護士、会社側は社長や管理者と会社側の弁護士が出席するのが通常です。
労働審判の第1回期日では、裁判官や労働審判員が(元)従業員本人や会社側の出席者に直接質問するなどして、審理が進められます。
労働審判は、この第1回期日でおおむね解決の方向性が決まるため、第1回期日までに十分な準備をして臨むことが重要です。

5 第2回・第3回期日

労働審判の第2回・第3回期日では、引き続き申立てのあった事案について審理が行われるとともに、裁判所の仲介のもとに話し合いが行われます。
そして、裁判所から調停案(解決のための合意案)が示されるのが通常です。

6 調停

労使双方が裁判所から示された調停案を受け入れる場合には、合意の成立により労働審判の手続が終結し、解決となります。
なお、事案によっては、労働審判の第1回期日から解決に向けた話し合いが行われ、第1回期日に調停(合意)が成立して手続が終結となることもあります。

7 審判

裁判所から示された調停案での合意ができなければ、裁判所が審判という形で解決案を出します。
審判に対して労使いずれからも2週間以内に異議申立てがなければ確定し、手続が終結となります。
しかし、労使いずれかから2週間以内に異議申立てがあれば、審判は効力を失います。
そして、訴訟(裁判)の手続へと移行します。

労働審判を弁護士に依頼すべき理由

(元)従業員から労働審判を起こされた場合には、弁護士に依頼して対応することをお勧めいたします。
その理由は、以下のとおりです。

裁判所での手続にスムーズに対応することができる

労働審判は、労働審判法および労働審判規則により、手続が運用されています。
法律の専門家である弁護士は、裁判所での手続の流れを理解しており、スムーズに対応することができます。
労働審判の期日には弁護士も同席しますので、会社側の不安が軽減されますし、疑問点があればその場で弁護士に確認することも可能です。

タイトなスケジュールでの準備を任せることができる

労働審判の第1回期日は、会社宛てに労働審判手続申立書が郵送されてから、通常は約1か月後となります。
そして、労働審判の第1回期日の1週間前には、会社側の主張を記載した答弁書および反論の証拠を提出しなければならないのが通常です。
労働審判は、第1回期日でおおむね解決の方向性が決まるため、第1回期日までに入念な準備をすることが重要です。
そして、労働審判は、原則として3回以内の期日で審理され、平均70日程度の短期間で終結する手続です。
このように、労働審判は、非常にタイトなスケジュールで進行し、各期日に向けた事前準備を確実に行わなければなりません。
労務問題・労働審判に関する法令・実務に精通した弁護士でなければ、タイトなスケジュールで適切な準備を行うことは困難でしょう。

法的に適切な主張・反論を展開することができる

労働審判では、第1回期日の前に、会社側の主張・反論を記載した答弁書および反論の証拠を提出する必要があります。
答弁書に記載する会社側の主張・反論は、労働法を踏まえた法的に適切な主張でなければなりません。
また、提出する反論の証拠は、会社側が主張する事実関係を裏付けるのに必要・十分な証拠でなければなりません。
第2回期日・第3回期日の前に提出する書面や証拠についても、同様です。
法的に適切な主張・反論を展開していかなければ、会社側にとって不利な決着となってしまいますので、法律の専門家である弁護士に対応をご依頼いただくのがよいでしょう。

交渉(話し合い)を有利に進めることができる

労働審判では、調停の成立により解決となることが多いです。
裁判所が審判を下す形で解決することもできますが、話し合いにより調停で解決した方が会社側にとってもメリットが大きいことが多いです。
弁護士は、交渉(話し合い)のプロです。
弁護士に依頼することにより、交渉(話し合い)を有利に進めることが期待できます。

適正な解決を図ることが期待できる

労働審判において、できる限り会社側に有利な解決を図るためには、労務問題・労働審判に関する知識と経験が不可欠です。
労務問題・労働審判に精通した弁護士であれば、解決の方向性をある程度予測することが可能です。
また、裁判官とのやり取りにより、心証・結果がある程度予想できることもあります。
適正な着地点を見極め、あるべき解決を図るという観点からも、労働審判は弁護士に依頼して対応されることをお勧めいたします。

弁護士にご相談ください

(元)従業員から労働審判を起こされてお困りの企業様がいらっしゃいましたら、労務問題に詳しい弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
当事務所では、不当解雇トラブルや懲戒処分トラブルについて、会社側から依頼をお受けして解決に導いた実績がございます。
当事務所は、会社側の労務問題のサポートに注力しておりますので、ぜひ一度、ご相談いただければと存じます。

記事作成弁護士:木村哲也
記事更新日:2023年3月28日

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