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この記事を書いた弁護士

弁護士・畠山賢次
八戸シティ法律事務所 在籍

主な取扱い分野は、労務問題(企業側)、契約書、債権回収、損害賠償、ネット誹謗中傷・風評被害対策・削除、クレーム対応、その他企業法務全般です。八戸市・青森市など青森県内全域の企業・法人様からのご相談・ご依頼への対応実績が多数ございます。

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はじめに

従業員が会社の秘密を持ち出す行為は、会社の事業活動に大きな被害をもたらすこととなります。
会社の秘密情報は、会社の競争力の源であり、これが持ち出されてしまうと、秘密についての経済的価値が損なわれ、また、会社の社会的信用を低下させかねません。
そこで、従業員が会社の秘密を持ち出すことを防ぐための主な予防策について、解説していきます。

就業規則での定め

就業規則において、会社の秘密情報とは何か、秘密保持義務の具体的な内容としてはどのような行為を指すのか等の事項を設けておくのも、予防策としては考えられます。
もっとも、就業規則の内容を従業員に十分に周知されていないような場合には、実際に従業員が会社の秘密情報を持ち出し、紛争となってしまった際、従業員の認識として、就業規則の内容については十分に認識できていなかったなどと主張され、その有効性が否定されるということにもなりかねません。
現実的に、就業規則を、適切に従業員に周知している会社は多いとはいえない現状においては、就業規則で定めておくことのみでは、予防策として十分な機能を果たすとはいい難いでしょう。

秘密情報であることの確認行為

従業員や、退職予定者に対し、持ち出してはいけない会社の秘密情報はどのようなものかを具体的に認識してもらう必要があるため、個別に確認行為を行うことが有効であると考えられます。
また、従業員や、退職予定者に対し、会社の秘密情報を持ち出してしまった場合には、会社が持ち出した者に対して損害賠償請求をする可能性があること、会社の秘密情報を持ち出し、漏えいしてしまった場合には、刑事責任を負う可能性があることを書面及び口頭で伝えることが、会社の秘密を持ち出すことの重大性を理解させる一つの契機になると考えられます。
会社側がこのような行為を行ったことについて、会社側から説明を受け、これについて理解したことを内容とする書面に、署名・押印してもらうことにより、退職時に持ち出した当該情報について、秘密情報だとは知らなかった旨の言い逃れを防止することが期待できます。

秘密保持誓約書の取得

従業員から、秘密保持誓約書を取得するのも、予防策としては効果的です。
もっとも、誓約書が抽象的な記載であるような場合には、実際に従業員が会社の秘密を持ち出してしまったときでも、損害賠償請求が認められないこととなりかねません。
ですので、秘密情報の定義・秘密保持義務の内容について、具体的に記載しておく必要があるでしょう。
また、会社の調査権限、将来の秘密保持義務や、誓約違反時の損害賠償責任についても、明記しておくべきです。

競業避止義務契約の締結や競業禁止に関する誓約書の取得

重要なプロジェクトや、会社の秘密情報に深くかかわる業務を担当する従業員については、競業避止義務契約の締結や、競業禁止に関する誓約書の提出を求めることも考えられます。
競業避止や競業禁止とは、元従業員が会社の事業と競合する事業を行うことを禁止するものです。
もっとも、過度に競業を禁止してしまうと、当該従業員の「職業選択の自由」を侵害してしまうおそれもあるため、当該従業員の地位・競業を禁止する地域や期間・禁止する競業行為の範囲等について、慎重に取り決めをする必要があるでしょう。

最後に

インターネット上にも、秘密保持誓約書等の雛形が掲載されていたりしますが、安易な雛形の流用は、その有効性を否定されるリスクが高くなるため、お勧めしません。
会社の秘密情報を従業員が持ち出すことを防ぐ方策についてお考えの会社関係者におかれましては、弁護士等の専門家へ相談する等して、対策を講じることをお勧めします。

記事作成弁護士:畠山賢次
記事更新日:2022年4月19日

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