製造業で注意すべき労務問題と対応について弁護士が解説

２　製造業でよくある労務トラブルとは

（１）残業代トラブル

残業代トラブルは製造業で起こりやすい労務トラブルのひとつです。

製造業の業務量は受注量等の要因に左右されるため、繁忙期には残業が必要となることがあります。
また、製造業においては人手不足が問題となっており、従業員が長時間労働をせざるを得ないという側面もあるでしょう。

そのような場合に、適切に勤怠管理や残業代の支給を行わないことで、残業代トラブルが発生する可能性があります。

慢性的な未払残業代があると、これがまとめて請求されるという高額な残業代トラブルに発展することになりかねません。
そのため、適切に勤怠管理を行える体制の構築といった対応が必要となります。

（２）雇用トラブル

製造業においては、非正規労働者や派遣労働者、外国人労働者といった様々な労働者を雇用することから、それぞれに関する雇用トラブルが発生し得ます。

そのため、非正規雇用者の雇止めや、派遣労働者の３年の派遣可能期間、外国人労働者の在留資格といった各種問題を理解しながら雇用管理をしていく必要があります。

（３）ハラスメント問題

製造業では、現場で製造ラインに従って作業を分担することになりますので、その中で構築される人間関係から、パワハラなどのハラスメント問題が発生するリスクがあります。

このことは、被害者との関係で損害賠償請求の問題になるほか、加害者に懲戒処分を行った場合にその効力を争われるといった形でトラブルに発生する可能性があります。
そのため、ハラスメントを予防するための体制の構築や、ハラスメントが発覚した場合の適切な調査、処分、再発防止といった対応が必要となります。

（４）労働災害トラブル

製造業では危険を伴う機械・設備等を使用することがありますので、これを原因とする労働災害が発生するリスクがあります。
特に、長時間の作業により注意力が散漫になったり、現場での安全管理が徹底されていなかったりすることによる重大な労働災害が懸念されます。

労働災害が発生すると、被害者からの損害賠償請求といったトラブルに発展する可能性があります。
そのため、あらゆる危険を想定した労働災害の予防や従業員への周知の徹底といった対応が求められます。

３　製造業における労務トラブル防止策の重要性

労務トラブルを発生させることは、高額な未払賃金や損害賠償の発生につながりかねませんので、経済的な面におけるリスクという観点から、その防止が非常に重要です。

そのうえ、その原因が職場環境等にあれば、同様の労務トラブルを繰り返すことにもなりかねません。

また、労務トラブルが発生する職場環境を放置することには、現在いる従業員が辞めたり、新たな従業員が寄り付かなくなったりするというリスクもあります。
このことは、人手不足が課題となっている昨今において深刻な問題であるといえるでしょう。

４　製造業における労務トラブルは当事務所にご相談ください

製造業には様々な労務トラブル発生のリスクがあり、その防止・対応が重要となります。
これらについて、当事務所では、トラブル発生前の体制構築等から、実際にトラブルが発生した後の対応、紛争に発展した場合の示談交渉・訴訟といった各段階におけるサポートを提供させていただいております。

製造業における労務トラブルについてお悩みでしたら、まずは一度、当事務所までご相談いただければと存じます。

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